祐也と私と一平先輩
「ふぅ」


ひとり残された私は机に乱雑に置かれた原稿や先生の名簿をクリアファイルにしまうと、立ち上がった。


これからどうしよう?

帰ってもいいんだけど....。


いや、このまま帰ったら小坂くんに後でイヤミ言われそう。


『プログラム作成用の写真揃ってないのに、よく帰れたなっ?』
とかね。

あいつなら絶対言いそうっ。


職員室に行って、写真撮り直しの先生にアポ取ろうかな?

上手くいけば、その場で撮っちゃってもいいし?



私だってちょっとは気がきくんだから小坂ぁ~。


誰もいない図書館で一人コブシを握りしめてみるものの、結局虚しさに襲われる。


私、足引っ張ってるんだろうな....。

今回の仕事だってほとんど彼が処理してる。


ペアを変えたいのは私じゃなくて彼のほうかもしれない。

「気にしない、気にしない」

私は自分を励ました。
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