極上俺様姫
『姉さん、好きな人でも出来た?』
好きな人?
このわたしに?
そんなの…壱里以外にはありえないと思ってたのに…
何で『アイツ』は…
こんなにもわたしの心に入り込んで来るんだろう。
綺麗になった…か。
わたしは携帯を取り出し、二通のメールを打った。
そうしているうちに、祭会場に着いた。
「…お、来た来た」
「待たせたな…恭二」
「全然待ってへんよ、いばらちゃん」
恭二はわたしの手をとり
会場の中に入った。
「いやー、いばらちゃんから『一緒に祭行く』ってメール来たとき、嬉しすぎて死ぬか思うたわ!」
恭二はニコニコと話しかけてきた。
ふたりで屋台を回り
昔の思い出話に花を咲かせた。
「そう!あんときから俺様やってんなぁ!」
「きょんは泣き虫だったのにな」
「もう言わんでええやん!恥ずかしいわー」
あぁ。
楽しい。
楽しいのに……
「いばらちゃん。
何で俺の誘い受けたん?」
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