ふたつ減って ふたつ増える
食卓テーブル

女性にとって
大切な日の朝なのに
我が家の朝はいつも通りだった。

大安吉日の日曜日

お相手はこだわるタイプ。
きっと本人はこだわってない。
だって
朝から私の目の前で
カブのニンニク漬けを食べている。

「花嫁が朝食でニンニク?」

「美味しいんだもん」

「常識考えなさいよ臭いでしょ」

「栄養あるよ」

ピリピリ&のほほんとしたふたつの声の間、私は黙々と箸を動かす。
お姉ちゃんとお母さんの漫才のような会話で育ったものだから、もう慣れっこ。

チラリと隣のイスを見ると
タマがアクビをして二度寝の体制。

お日さまポカポカ当たるその場所はタマの特等席。安いニトリの座布団の上で幸せそうに丸くなるタマ。

その昔
タマの場所にはお父さんが座っていたけど

いつの間にかいなくなっていて

今はタマが座ってる。






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