ふたつ減って ふたつ増える


挙式はしないと頑張っていたけど
マサヒコさんが初婚であり
思った以上に実業家としての力があって
色んな繋がりの関係上
挙式じゃないにしろ
結婚しましたお披露目会を小さくする事になった。

高身長ではなく
サッパリとした髪形をした
貫禄のあるおじさんは金持ちだった。

うちの小さなアパートだけじゃなくて
色んなマンションも持っていて
自分の家も広いから
私とお姉ちゃんも一緒に暮らそうって言ってくれたけど

私とお姉ちゃんは断った。

私達を頑張って育ててくれたお母さんを、家から嫁に出したかったから。

「結婚なんてしない」って何度も言うお母さん。

「結婚しなかったら園児を人質にして園に立てこもり、テレビで中継されて逮捕されてやる」
お姉ちゃんがドスの効いた声でそう言った。
この10年でおっとり系キャラのお姉ちゃんは格闘系保母さんになり、園で一番信頼されながら怖い存在になっていた。

「私もグレて高校辞めて、地下アイドルになってからのキャバ嬢になってやる」
つられて口から出まかせを言うと、お母さんよりお姉ちゃんが「キャバ嬢なめんなよ」って私に真顔でそう言った。地下アイドルはいいのか?

うん。
自分でも何を言ってるのかわからない。

でも必死だよ。

私達は必死だよ。
< 19 / 26 >

この作品をシェア

pagetop