ふたつ減って ふたつ増える
借金を残して逃げてしまったお父さんだけど
縁が切れると思ったら
精神的に何か違う。
電球を取り替えてくれたり
一緒にゲームしたり
狭い家の中でかくれんぼしたり
「お父さんは芸能界の黒幕」
「内緒だけどお父さんは実はスパイ」
「お父さんは異世界からやってきた」
バレバレな嘘が得意な人で
明るくて楽しくて優しくて
私は大好きだった。
女の人が大好きで
生活力はなくて
大人としてはダメダメだったけど
私はお父さんが大好きだった。
誰もあれからお父さんの話をしないけど
お母さんもお姉ちゃんも
お父さんが大好きだったと私は思ってる
だって
家族だもん。