藤沢先生の白いキャンバス。(修正済み)

「なんか院長先生との話で聞いた人が
居るのですって。
一体どんな人かしらね?
気になるかも」

他の看護師達もその話で持ちきりだった。
私は、居ても立っても居られず
院長室に向かった。

そ、そんな……せっかく
藤沢先生と付き合うことになったのに。

お見合いだなんて……嫌よ!!

慌てて院長室に入った。

「失礼……」

「冗談じゃない!!
何で、それで俺のお見合い相手になるんだ!?」

中に入ると
藤沢先生が凄い勢いで激怒していた。

藤沢先生……!?

「冗談ではない。彼女は、
アメリカでも優秀な女医だ。
今回の難しいオペも
お前と2人の力を合わせればやり遂げられる。
それに、彼女が我が病院に来てもらえれば
病院も安泰する。
その条件がお前との見合い話だった」

「そんな……横暴な!?
確かに。今回のオペは、彼女の腕も必要です。
だからと言って病院に残らせるために
俺を宛にしないで下さい!!」

納得がいかない様子の藤沢先生。
私も納得がいかない。

しかし院長であるお義父さんは、

「宛とはなんだ。
お前は、次期跡継ぎでもあるのだぞ!?
お前は、今でもフラフラしているところがある。
そろそろ身を固めて跡継ぎとしての自覚を持て」

「それに、彼女は、お前がアメリカに
研修した時の同期だったと聞いているぞ。
なら、丁度いいではないか……お互いに
分かり合えて。来週の日曜日に
彼女とお見合いをしろ」

お義父さんがそう告げてきた。

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