藤沢先生の白いキャンバス。(修正済み)

「明日って……私達のことなんですよ!?」

私は、先生の言葉にムッとする。

大事な話をめんどくさそうにするなんて
酷い……。

「分かっている。だが、もう遅い。
こっちのことも考えてくれ……」

やっぱり、めんどくさいのよ!?

「もういいです。おやすみなさい」

私は、怒って部屋から出て行く。

何よ……先生ったら
私1人がさわいでいるみたいじゃない。

これは、先生にとっても大事な……。

そう思ったとき
フッと悪い方に考えてしまった。

もしかして大事に思っていたのは、
私の方だけかも知れないと……。

藤沢先生は、坂下先生と一緒にまた仕事して
心変わりをしたとしたら……?

いや、先生に限ってそんなはずがない。

裏切ることをする人だと思えない。

でも、あんな仕事として
価値観が合いそうな人は、
なかなか現れるものではない。

他の人も息がピッタリで
黄金コンビとかお似合いだと言われているし。

しかも、あんな美人。
なびいてもおかしくないわ。

悪い方に考えたらダメだと思うほど
良くない方向ばかり考えてしまう。

押し潰されそうになるぐらいに
不安になってくる。

胸がギュッと痛み……涙が溢れてきた。

< 62 / 91 >

この作品をシェア

pagetop