藤沢先生の白いキャンバス。(修正済み)
「いいですね……私も同じです。
ふ……景介さんが絵を描いていて、その隣に
私が居たら幸せだろうなぁ……と思います。
これからもずっと」
そんな未来があったら
どんなに素敵なことだろうか。
叶えたい……その願いを。
しかし、空を自由に飛び回るには、
何かを犠牲にしないといけなかった。
夕方近くになると帰る準備する。
藤沢先生は、帰り際にスマホを見ると
お義父さんからの着信が凄かった。
「携帯を切ってたからな。
かなり怒っているだろうなぁ……」
ハァッ……とため息を吐く先生。
「そうですね。
お見合いドタキャンしちゃいましたし」
帰ったらお義父さん
どんな顔をするだろうか?
私も一緒だし……。
怒鳴られるだけでは済まないかも
後のことを考えると
胸がズキッと締め付けられそうだった。
すると藤沢先生は、不安になっている
私の手をギュッと握り締めてくれた。
「大丈夫だ。俺がそばに居る。
帰ったら正直に両親に話そう……俺達のこと」
そう言ってくれた。
「は、はい……」
両親は、反対するかもしれない。
義理でも兄妹として家族になったのに……。