姫、私は誓います。
「嘘吐けないから」

「へ?」

意外すぎる回答に、僕は聞き返す事しか出来なかった。だって嘘が吐けないからというだけで10年も二人でいられるわけがないと思う。でも、他の回答を言わせようとしても彼女はこれしか言わなかった。だから、僕は質問を変えたんだ。

「なんで好きなの?」

「物心付いた時には家族として住んでいたから。他に宛なんて無いし、気取らないから居心地良い」

それを聞いてやっと納得できた気がする。ランバートがレイア姫を亡くした翌日に僕たちへ残した言葉をやっと受け入れられた気がする。確かに変り者だけど、ランバートはいつも真実しか言っていなかった。でも、それだからこそあの時はランバートの言葉を信じたくなかったんだと思う。信じられるから信じたくなかったんだと思う。
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