姫、私は誓います。
「辛くないの?姉さんの分身に会うって」

辛い事を聞いているのかもしれないという考えはあったけれど、家族と呼べる人がいない僕にとって未知の世界。だから、聞ける内に聞いてみたかったんだ。少なくとも、自分にその感情が出た時は殺人鬼ではなく一人の人間だと胸を張る事が出来ると思うから。

「分かんない。姉がどんな人だったのか知りたいけど、理想と違ってがっかりもしたくないって思うし・・・、半々かなぁ」

何処と無く似ているレイア姫の言い回しに、姉妹である事を実感させられていた。何だか少し懐かしい気持ちがした。

「がっかりしたら笑ってあげるよ。そしたら少しは悲しくなくなるでしょ?」

「ありがと」

昔の僕なら絶対に思い付かなかった言葉だと思う。
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