姫、私は誓います。
俺の気が変わったのはそんな恨み真っ只中の時だった。姫の専属兵士にならないかという話が俺とラークペイに持ち掛かったんだ。俺はこの時、絶好のチャンスが訪れたと思った。姫の専属兵士になれば今よりもずっと暗殺できるチャンスが多くなる。天は俺に味方をしたんだ。そんな馬鹿な事すら考えていた。
もちろん、誘いは喜んで受け取った。でも、俺が思っていた彼女は架空であると分かるのに時間は掛からなかった。彼女は俺たちを見るなり、警戒する事もなく部屋へ招き入れた。

「これ・・・は・・・?」

部屋を見るといたのは非番のコックやメイドたちが楽しそうにパーティの準備をしていた。和気藹々としたその雰囲気に出鼻を挫かれ、俺は豆鉄砲を食らった気分だった。ラークペイはそんな俺の耳元で自慢げに話す。

「変わった姫様だよな!非番の召使いとお茶飲んでるんだぜ?」
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