姫、私は誓います。
「お前も飲むか?レン」

「いや、それなら遠慮しときます。何でもない日じゃないと酔えないんで」

「また来いよ。ルークとクラウドと一緒にここで待ってるからな」

「うっす!」

レンは肩を組んだ私たちを見つめると安心したような満面の笑みで帰っていきました。その笑みは母親であるウィルさんにそっくりで、ウィルさんの姉であるレイアさんにも似ていました。
そのせいでしょうか。不意に私を切なくさせるんです。レンが悪いわけではなくもっともっと笑っていてほしいのですが、どうしても思い出してしまうのです。会わなければとすべてを拒絶して後悔したくなってしまうのです。自分でも、情けないとは思っているんです。もういない人をここまで引きずってしまうなんてと。

「飲め、ルーク」
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