姫、私は誓います。
「起きた?元気そうで良かった」

レイア姫は僕の目を見ると安心したように笑いかけてくれた。正直、見ず知らずの僕なんかに優しい笑顔を向けるレイア姫は可笑しいと思っていた。いや、今でも思っている。だって子供とはいえその頃、レイア姫の国と僕の仕えていた国は敵同時で僕の事を知らないはずがない立ち位置にレイア姫はいた。だから、そのまま僕を瀕死のまま置き去りにしても良かったはずなんだ。なのに手当てをしただけではなく、自分の部屋のベッドにまで寝かせて看病していた。

「お人好し」

「だって生きなきゃ。良い事無いよ?」

ケイは姫と僕に食事を持ってくるとそう言って姫と笑っていた。生きなきゃ。傷が完全に治ると姫は僕を専属の兵士としてそばに置くと、タコが出きるくらい生きてと言ってきた。人の命を奪うしか能のない僕に戦わずにそばにいろと言ってきていた。
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