街が赤く染まる頃。ー雨 後 晴ー
━━でも結局、まっすぐ帰ることはできない俺は、スーパーで食材を買ってから帰ることに。
……あれ?
あれって…もしかして仁科?
なんでこんな時間まで制服で、しかも公園にいんの?
あえてのブランコって。
女なんだし、一応美人なんだから、さっさと帰れよ。
ナンパされても知らねーけど。
ナンパならまだまし。
そのまま持ち帰られたり…無理矢理…
…って、俺はどんな妄想広げてんだよ。
ここ住宅街。そんなこと起こるわけねーだろ。
起こるわけ…
……くっそ、めんどくせーな。
「おい、仁科。」
結局、優しい俺は放っとけなくて公園に入って仁科に声をかけた。
…ま、シカトだけど。当然のことながら。
「お前ここで何してんだよ。
さっさと帰れよ。女なんだから。」
ブランコの前に立ち、そういってもこいつはやっぱりシカト。
こっちを見ることすらない。
……礼儀正しく、ねぇ?
これで?どこが?
「……あー、もうめんどくせーな!
家どこだよ。送ってってやるから。」
このまま立ち去ることもできず、仕方ねーから連れて帰ろうと仁科の腕を無理矢理掴んでみたけど
「…ちょっ!」
思いっきり拒否られた。…じゃなくて。
今…こいつ、声だしたよな?
「……なんだ、やっぱ声でんじゃん。
ならいつもシカトしてねーで返事くらいしろよな。」
その俺の言葉にはやはりシカト。
なんなんだよ、こいつは。