街が赤く染まる頃。ー雨 後 晴ー



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心優がこのクラスから消えて一ヶ月。

毎朝ここで俺に『おはよう』と笑顔で挨拶する心優がいなくなって
あんな当たり前だったなんの変哲もない毎日がなくなって

俺の心にもすっぽり穴が空いた。


「大翔、今日遊びいかない!?」


そんな俺に、また女がまとわりつく。
……でも、他の女では埋めきれないとちゃんとわかってるから


「行かない。」


俺はもう、適当に女と接することをやめた。
あんないい女がまた現れるのかはわからない。
だけど、もう普通の女じゃ俺は満足できない。


「大翔、帰ろうぜ」


「おう。」


だからここ最近は毎日智樹と帰る。
これが安定だ。


「なんかほんと大翔変わったよな~」


「そうか?
どの女も適当にあしらってるところは変わってねーと思うけど。」


「また、全然笑わなくなった。」


「は?」


「修学旅行の時はあんなに楽しそうに笑ってたくせにな。」


「……一緒だわ」


「親父さん亡くした時と同じ顔してる。
そんな顔してたら仁科ちゃんが自分責めるだろ~
応援してんだったらちゃんと笑っとけよ。

じゃーなー」


一緒に帰る、っつってもそんな会話をしてたらすぐに俺のアパートにつくわけで。

智樹と別れて俺はアパートに入る。


郵便受けにはスマホの請求書だったり、電気代の通知書だったり、DMがごっそりと入っていて

そういえば最近見てなかったな、なんてやっとここで気づいた。


たくさんの郵便物をひとつひとつ見ながら階段を上がっていくと、
『七瀬大翔様』と書かれた明らかに誰かからの手紙があって、俺の足は止まった。

びっくりして裏を見れば『仁科心優』の文字。


俺は急いで階段をかけあがり、部屋へと入った。



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