大っ嫌いな私
「べ、別にこれくらい一人でだって……」

「……すでにふらついてるだろーが。貸せ」
 
不機嫌な顔のまま私の手からゴミ箱をぶんどると、西谷くんは一人でゴミ捨てに行ってしまった。

……あーあ。
また、ありがとうっていえなかった。
なんでこう、私は素直になれないのかな。
 

次の日。

放課後、読みかけの本を教室に忘れたことを思い出して取りに戻ったら、西谷くんが一人でおにぎり食べてた。

……今度こそいうんだ。
いつもゴメンね、好きですって。

「……なにやってんの?」

「部活前の腹ごしらえ」

 ガサゴソ、ビリリッ。

袋の中から新しいおにぎりを出すと、西谷くんは封を切った。

「おまえこそ、なにやってんの?」
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