5年3組パラダイス
『その時の同級生の奴らも、何人も知ってる奴がいるんだ。』
「ええ?!何それ?僕、知らなかった。」
正しく言うと、みんなにバレてる事を知らなかった。
「あのよぉ、笑うなよ。」
「う、うん。」
なんとなくゴクリと唾を呑んだ。
「オレたち3年生になってから、野球クラブ活動始まったジャン?朝練とか終わって、道具の後片付けしてた時、その日はお前、風邪か何かで休んでたと思うけど、3年生の時のオレらのクラスの男子たちとジャーマネの理恵ちゃんと美幸ちゃんは見たんだ。」
「み、見たって、何を?」
再びゴクリ・・・。
今度は本気で固唾を呑んだ。
「まさおが、校庭の桜に声をかけてて、なんて声をかけてたかはわかんないけど、木に手を触れたら、その木の桜が咲き出したんだ。隣の木も、その隣の木も、同じように1本ずつ順番に。それで校庭の桜は満開になった。それって、まさおの仕業だろ?どう見たって。その後、1ヶ月も桜散らねーし、テレビ局の人とか来るし・・・、忘れるわけねーよ。」
「・・・・・・」
「それで、オレ、やべーって思ったんだ。だって、オレ、1年の時と2年の時、まさおの事苛めてたし、神様の子供苛めてたって思った時は、ぜってー罰当たると思ってすげービビッてた。」
「学くん3年生になってから、かつお君のこと苛めなくなったもんね」
「苛めるわけねーじゃん。神様の子供だぜ。それに、保険の百合子先生も、女の子の理想は弱い者を守る強くて優しい男の子だって言ってたしさ・・・。」
「百合子先生―?」
「オレ、百合子先生の事、好きだったんだよ。だから、いつも保健室に行って百合子先生に優しくしてもらってるまさおにヤキモチ焼いてて、それに、学校にほとんど来ないくせにテストで100点取るし、オレだって先生とかに褒められたくて影でコソコソ勉強頑張ってたのに、ぜんぜん叶わなくて、それで、ムカついて苛めてたんだ。男らしくねぇってゆーか、そんなの、カッコわりぃって気づいたし。」
「ええ?!何それ?僕、知らなかった。」
正しく言うと、みんなにバレてる事を知らなかった。
「あのよぉ、笑うなよ。」
「う、うん。」
なんとなくゴクリと唾を呑んだ。
「オレたち3年生になってから、野球クラブ活動始まったジャン?朝練とか終わって、道具の後片付けしてた時、その日はお前、風邪か何かで休んでたと思うけど、3年生の時のオレらのクラスの男子たちとジャーマネの理恵ちゃんと美幸ちゃんは見たんだ。」
「み、見たって、何を?」
再びゴクリ・・・。
今度は本気で固唾を呑んだ。
「まさおが、校庭の桜に声をかけてて、なんて声をかけてたかはわかんないけど、木に手を触れたら、その木の桜が咲き出したんだ。隣の木も、その隣の木も、同じように1本ずつ順番に。それで校庭の桜は満開になった。それって、まさおの仕業だろ?どう見たって。その後、1ヶ月も桜散らねーし、テレビ局の人とか来るし・・・、忘れるわけねーよ。」
「・・・・・・」
「それで、オレ、やべーって思ったんだ。だって、オレ、1年の時と2年の時、まさおの事苛めてたし、神様の子供苛めてたって思った時は、ぜってー罰当たると思ってすげービビッてた。」
「学くん3年生になってから、かつお君のこと苛めなくなったもんね」
「苛めるわけねーじゃん。神様の子供だぜ。それに、保険の百合子先生も、女の子の理想は弱い者を守る強くて優しい男の子だって言ってたしさ・・・。」
「百合子先生―?」
「オレ、百合子先生の事、好きだったんだよ。だから、いつも保健室に行って百合子先生に優しくしてもらってるまさおにヤキモチ焼いてて、それに、学校にほとんど来ないくせにテストで100点取るし、オレだって先生とかに褒められたくて影でコソコソ勉強頑張ってたのに、ぜんぜん叶わなくて、それで、ムカついて苛めてたんだ。男らしくねぇってゆーか、そんなの、カッコわりぃって気づいたし。」