5年3組パラダイス
保険の百合子先生とは、僕らが3年生の時、僕らの担任の松井先生と結婚して寿退社しちゃた美人先生なんだけど、すごく優しくて、みんなの憧れだった。
確かに、まさおくんは学校に来ても、一日の半分は保健室にいる事が多かったし、それなのに頭が良くて、僕も正直、羨ましいって思ったことある。でも、僕はそれで、かつお君に憧れたり仲良く良くしたいって思ってたのに、逆に、同じ理由で学くんとか、その取り巻きが、かつお君をからかって苛めてたんだ。
そんなこと知らなかったなぁ。
「だからよぉ、今は5年生にもなって、オレだってそれなりに大人だし?悪い事した時は潔く謝るってゆーか、自分のした悪い事を認めるって事も一つの勇気だって、百合子先生が学校やめる時、言ってたことの受け売りになっちゃうかもしれないけど、今はそう思えてるし。」
「へぇぇ・・・。受け売りって、百合子先生になんか言われたの?」
「まぁ・・・これも、お前が学校休んだ日の話なんだけど、オレ、テストで80点以上取れたら、先生に告白するって宣言してて、取っちゃったんだよ。82点も。それで、しょうがなく勇気出して先生に告白したんだ。」
「う、うわぁ。それ本当?勇気あるー。」
「そしたらさ、『先生は正義感のある男らしい人が好きなの。弱い人は苛めず、強い者が守ってやる!って、一生懸命弱い人のために頑張る男の人。学くんの気持ちはすごく嬉しいけど、先生ね、そういう理想の人と今度結婚する事になったの。』ってさ、初めての告白で初失恋だったよ。んで、その相手が松井先生だなんて、超ショックだったー。」
「そうだったんだー。」
「そん時に、泣き出しそうなオレに、百合子先生は、『学くんも、きっと男らしい素敵な男の子になったら必ず好きになってくれる子が現れるんだよ。』って言ってくれたけど・・・、それからオレも正義感のある男らしい子になろうって決めたのに、それでも、まさおに苛めた事を謝る勇気も出せないまま2年も経って、そうしてるうちに、まさお死んじゃったんだ。オレ、すげーショックで、本当は誤りたかったのに。」
学くんは、本当にそう思っているに違いない。淋しそうで悲しそうな顔をしていた。
目の前にいる学君は、もう、かつお君を苛めて、からかっていたガキ大将の学君ではなかった。
確かに、まさおくんは学校に来ても、一日の半分は保健室にいる事が多かったし、それなのに頭が良くて、僕も正直、羨ましいって思ったことある。でも、僕はそれで、かつお君に憧れたり仲良く良くしたいって思ってたのに、逆に、同じ理由で学くんとか、その取り巻きが、かつお君をからかって苛めてたんだ。
そんなこと知らなかったなぁ。
「だからよぉ、今は5年生にもなって、オレだってそれなりに大人だし?悪い事した時は潔く謝るってゆーか、自分のした悪い事を認めるって事も一つの勇気だって、百合子先生が学校やめる時、言ってたことの受け売りになっちゃうかもしれないけど、今はそう思えてるし。」
「へぇぇ・・・。受け売りって、百合子先生になんか言われたの?」
「まぁ・・・これも、お前が学校休んだ日の話なんだけど、オレ、テストで80点以上取れたら、先生に告白するって宣言してて、取っちゃったんだよ。82点も。それで、しょうがなく勇気出して先生に告白したんだ。」
「う、うわぁ。それ本当?勇気あるー。」
「そしたらさ、『先生は正義感のある男らしい人が好きなの。弱い人は苛めず、強い者が守ってやる!って、一生懸命弱い人のために頑張る男の人。学くんの気持ちはすごく嬉しいけど、先生ね、そういう理想の人と今度結婚する事になったの。』ってさ、初めての告白で初失恋だったよ。んで、その相手が松井先生だなんて、超ショックだったー。」
「そうだったんだー。」
「そん時に、泣き出しそうなオレに、百合子先生は、『学くんも、きっと男らしい素敵な男の子になったら必ず好きになってくれる子が現れるんだよ。』って言ってくれたけど・・・、それからオレも正義感のある男らしい子になろうって決めたのに、それでも、まさおに苛めた事を謝る勇気も出せないまま2年も経って、そうしてるうちに、まさお死んじゃったんだ。オレ、すげーショックで、本当は誤りたかったのに。」
学くんは、本当にそう思っているに違いない。淋しそうで悲しそうな顔をしていた。
目の前にいる学君は、もう、かつお君を苛めて、からかっていたガキ大将の学君ではなかった。