5年3組パラダイス
「私だって、こんな学ブーなんかじゃなく、将太君とコンビやりたかったのよ!だー。」
「あーら、それは残念でしたっことぉー!エイ!」
「体育しか私に勝ったこと無いくせに!」
「あらあら、負け惜しみかしらぁ!!」
「私だって順子に勉強は負けたことないわよ!だ!!」
「私も将太君もスポーツだけが取り柄なのよ!だぁ!」
「順子なんか、算数24点ぽっちだったくせに!エイ!」
「そんなの試合に関係ないでしょ!エイ!」
「どうやったらそんな点数取れるのかしら!エイ!」
「将太君とおそろいの点数だったのよ!うらやましいでしょ!エイ!」

順子ちゃんってば、皆の前で・・・・なんてことを!

「順子ちゃん、僕の点数までばらさなくても・・・。」
「てへ、ゴメンネ将太君。単なるギャグだから。」
「僕が成績悪いのギャグのネタにしないでー。もう、僕・・・超恥ずかしい。」 

応援席は爆笑の渦となってしまった。

「あ、やばっ。香織のジェラシー噴火させちゃったみたい。挑発しすぎたかも。」
「え?」

見ると香織ちゃんがかなり不機嫌な顔になっていて、背後にメラメラと炎が燃え盛っているような空気が漂っていた。

「な、何なのよ、その和みは!!もう~~!!ばっかじゃないの?情けないことで自慢しないでよぉぉぉぉ!」

そこで、応援席から香織ちゃんのエールが飛んできた。

「香織ちゃん負けるなー。香織ちゃんの良さを分かりもしない将太なんかやっつけちゃえ!」
「香織ちゃん、ファイト!!」

男子達の応援が香織ちゃん側の5班に完全に傾いている。

「将太君!頑張ってー!」
「将太君、負けないで!」

はずかしながら、僕の応援も結構耳に入ってきて、僕もまんざらではないのかな?クラスの人気。って、べつに人気あるとか無いとか、関係ないけどさ・・・。

そこで、親愛なるかつお君のエール。
『将太君、負けるなー。勝って優勝だー。』
そして、かすかに僕の耳へ届いた健気なコリンちゃんのエール。
『頑張って、将太君!』

コリンちゃんってば!あんな小さい体で僕のところまで届くような声で頑張って応援してくれて・・・。それにかつお君、スゴイ顔!



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