君の本気に触れた時…
彼から目線をテレビに戻した時、ちょうど私の目に飛び込んできた場面に心臓が大きく踊り、内心ひどく焦ってしまった。

画面の中の二人は、男性が自分の気持ちに全く気づかない鈍感な主人公に対して行動を起こしたところで…この先は多分キスシーンになるはず。

全くドラマに集中できてはいなかったけど、先週の次回予告でチラッと見たのを思い出した。


あああああ……


こんな場面を彼と一緒にこの空気の中で見るなんて……私にはムリ…

画面を見る事も、その場を立つこともできずに目線も気持ちもソワソワソワソワと落ち着かなかった。

心の中では只ひたすら静かにパニックを起こしていた。

その時、突然彼が立ち上がった。

それに対して大げさなほど大きく肩を跳ねさせ反応をしてしまった私。

クククッ………という笑い声が上から聞こえる。


「な…なに?」

「お手洗いお借りしますね。」

「…あ……玄関に向かって…左のドアだから。」
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