君の本気に触れた時…
彼がはにかんだ笑顔で悪びれる様子もなくそう言って私の顔を覗き込んだ…。

時間差で…徐々に顔に熱を帯びてきているのが分かった。


「理央さん…可愛い。」


そう言ってまたギュッとされた。

何だろう…この胸がキュンとなる切ないような苦しいと思う気持ちは……。

それに今更だけど、私…あのハル君とキスしちゃったんだ。

未だ彼の腕に抱かれながら、その事実に自分でも信じられない気持ちで一杯だった。


お酒でも飲んでいたら、お酒のせいにできたのに………。

地に足がついていないようなフワフワした不思議な感覚に包まれていた。








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