君の本気に触れた時…
「そんな事より、もうお湯も湧いたようだしコーヒー淹れましょうよ。」

「あ…ホントだ。いつの間に！？」

「理央先生って一見しっかりしてそうに見えるのに…中身は至って残念ですよね。」


カッチーン


人が気にしている事を、本当に残念そうに言いやがった…コイツ。

そういう言われ方って一番地味に傷つくんだけど……。

それにその “ せんせい ” も何度言っても直す気配もない。

一人でやってれば、もうとっくにみんなに配り終えてたかもしれないのに…彼といると本当に調子が狂う。


何も言い返さず、黙々と作業をする私に何か感じたのか…隣からさらに声が聞こえた。


「センセー怒ってます…？」

「…別に」

「残念は訂正します…。確かに嫌な言葉ですよね。ごめんなさい。」


生意気だと思ったら、突然素直にもなる彼。

中身が残念なのは、自分でも自覚している部分はあるからね…。

だから、余計に傷ついてしまったのかもしれない。

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