君の本気に触れた時…
ピクンと指が反応をしたけど、その指ごと彼の大きくて温かい手に包まれた。

外に向けていた視線を隣の彼に向けると…

彼と目が合った瞬間、息が止まるかと思った…。

それくらい、彼の顔がすぐ目の前にあって私を見つめる彼の瞳に心臓がドクンッと大きく跳ねた。


「理央さん…どうして僕を避けてるの?」

「…避けて…ないよ」

「どこが?思いっきり避けてるのに?」

「………」


彼の顔をこれ以上直視できない…。

思わず目線を下に向けると


「ちゃんと俺の目を見て」


彼の言葉に顔をあげざるをえなかった。


< 167 / 235 >

この作品をシェア

pagetop