君の本気に触れた時…
「いくら年上好きの理央だって、毎日あんな笑顔見せられてたらコロッとほだされちゃいそうになるんじゃないの?」

「ナイナイ…それは無いから。」

「なんでそう言い切れるのよ〜」


彼への儚くも淡い恋心なら、とっくの昔にガラガラと派手な音を立て崩壊済み。

だから今更そんな事になる筈がなかった。


「無駄口叩かないで仕事仕事。ホラ…山内課長が睨んでるよ。」


そう言うと慌てて姿勢を正し、仕事を再開させた聡子。

彼女の変わり身の早さには、いつも感心させられる。

私も画面を見ながら、ブラインドタッチを続け午前の時間はあっという間に過ぎていった。

今日中に仕上げなきゃいけない資料があって、今日の業務はほぼそれだけで終わりそうだった。

午後もひたすらパソコンとの睨めっこで流石に肩や目が辛くなった。
< 51 / 235 >

この作品をシェア

pagetop