君の本気に触れた時…
先輩の笑顔は優しかったけど、なぜか無理をしているような笑顔に見えた。

吹っ切れてる…と言った先輩の心には、まだその彼女がいるのかもしれない…。


「じゃあ、あと一つだけ…。」

「うん」

「先輩は、私の事が好きなわけではないですよね?」

「え?」

「あ、いいんです。それを責めてるわけではないので…。ただ、私も次に付き合う人はお互いに大好きな人って決めてるので。」

「…でも、朝倉の事は可愛いと思ってるし、気になる存在だって事は本当なんだ。」

「ありがとうございます。…


「拓海くん…」


その時、誰かの先輩を呼ぶ声に私の方を見ていた先輩の顔が、ハッとした顔に変わり声の方を見た。

私の視線も、先輩の向こう側にいる少しだけ離れたところに立っている女性の姿を捉えていた。
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