クールな同期と熱愛はじめ
「ドライブでもどうかと思うんだけど」
高梨さんがニコニコと笑う。
私は笑顔を張りつけたまま、視線を泳がせてしまった。
「えっと……」
言葉を発したものの先が続かない。
なぜか思考がストップしてしまって、どうしたらいいのかわからなくなる。
「海か山だったら、どっちがいい?」
そんな私に構うことなく、高梨さんが話を続ける。
「俺は山のほうがいいんだけど、悠里さんはどうかな」
施主とプライベートで会うわけにはいかない。かといって、きっぱりと断って高梨さんの機嫌を損ねることはしたくない。
そんなことになれば、私は設計から下ろされてしまうかもしれないからだ。
最悪の場合、別のハウスメーカーへ依頼を変更されることだって考えられる。
「明後日はちょっと予定が……」