クールな同期と熱愛はじめ
頭から毛布を被り、「ああああ!」と大きな声を上げた。
設計じゃなかったなんて。
あれだけ一生懸命考えた設計が、私を選んだ理由じゃないなんて。
やっと報われたと思ったのに。
とうとう桜木くんに勝てたと思ったのに。
ただ私が思い上がっていただけだったのだ。
悔しさが込み上げて、どうにもならなくなる。
ベッドの上で右へ左へとゴロゴロ転がっているうちに、床にドスンと音を立てて落ちた。
「――いったーい」
お尻を強打して、しばらくそこから動けなかった。
……私、最低だ。
床に寝たまま、ふと思った。
落ちた衝撃が私に冷静さを取り戻させたのかもしれない。
桜木くんにひどい言葉を浴びせてしまったと、今さら後悔が襲う。
彼はなにひとつ悪くないのに。
私のことを助けに来てくれたのに。
桜木くんが来てくれなかったら、私は今ごろきっと……。
想像するのも恐ろしい。
私が彼にしたことは、八つ当たり以外のなにものでもなかった。
実力不足を認めたくなかっただけ。
本当に最低だ。
あとできちんと謝ろう。
そう決意し、痛むお尻をさすりながら起き上がった。