クールな同期と熱愛はじめ
徐々に近づく人影。
スピードを上げていく心臓の脈動。
それはもう、自分自身でもコントロールの利かないほどに高鳴っていた。
紛れもない。
桜木くんだったのだ。
そうだとわかっても、足が動かない。
ここにいるだろうと思って来たくせに、実際に彼の姿を見つけるとロープで何重にも巻かれてしまったかのように身動きができなかった。
桜木くんが私の目の前で足を止める。
少し日焼けした顔は、この現場へ通っているからなのか。以前よりももっと男らしくなった表情に、戸惑いを隠せない。
私とは対照的に、彼は私がここにいることに全く驚いている様子は見えなかった。
やはり、彼があの雑誌を私に送りつけたのだ。
「久しぶりだな」
桜木くんが白い歯を見せる。
悪びれもしない態度が、なんだか癪に障る。
「……ちょっ、久しぶりだなじゃないでしょ!」
思わず彼の胸を手で叩いた。
唐突に溢れてくる感情を抑えきれなかった。