クールな同期と熱愛はじめ
“嫌いオーラ”を出している人のことを好きになるのは難しい。
「悠里の未来がかかっているんでしょう?」
「……うん、まぁ」
落とせなければ異動願いを出せと、桜木くんには言われている。私の未来がかかっていると言っても過言ではない。
「なら、頑張るしかないでしょ」
こうなったら、自分の心に催眠をかけるしかない。私は桜木くんのことが好きだと。彼を好きだから振り向かせたいと。
そして、晴れて彼を落とした暁には、その催眠を解くのだ。
そうだ、そうしよう。それしかない。
「ふたりでひそひそとなんの密談?」
間宮さんは私たちの前にカレーの入った小皿をふたつずつ並べながら、歯を見せて笑う。
「悠里の恋の相談に乗っていたの」
「へぇ、悠里ちゃん、恋してるんだぁ」