クールな同期と熱愛はじめ
それぞれ違う種類を焼いてくれたみたいだ。
「悠里、シェアしない? 私、ホウレンソウも食べてみたい」
「うん」
私の皿にのったナンを三等分する。
ひとつは胡桃に。もうひとつは、もちろん桜木くんに。
“好きな人”には優しくせねば。
義務感でやっているうちは、まだまだダメだろうけど。
「はい、桜木くん」
ちぎったナンを見て一瞬考える素振りをしたものの、彼は「サンキュ」と素直に受け取った。
驚いたのは、彼が自分のガーリックのナンも三等分し、私と胡桃に分けてくれたことだ。素直にシェアしようと思うとは。
早速フーフーと勢いよく冷ましてから、ナンにカレーを付けて口へ投入。その直後、私と胡桃は顔を見合わせた。
「おいしい!」
ふたりの声が見事にはもる。
さすが、間宮さんが引き抜きたくなる味だ。
「でしょー? おいしいでしょー? いやぁよかったよ、ふたりとも気に入ってくれて」
間宮さんのうしろから、アジャンタさんが不安げな表情で顔を覗かせる。
「アジャンタさん、すごくおいしいですよ」
胡桃とふたりで伝えると、彼は「ヨカッタデス。アリガトウゴザイマス」と白い歯を見せて笑った。