クールな同期と熱愛はじめ
桜木くんの顔が不審なものでも見るかのように歪む。そして強引に、その手をぐんと突きだしてきた。
「な――」
なにをするのかと言おうとして、そのセリフは口から飛びだす直前に急ブレーキで止めるしかなかった。
桜木くんの手は、私の額に触れたのだ。つまりは検温。
私の体温が高いのか、彼の手は冷たかった。
変な体勢を強いられる私を桜木くんがいたって真面目顔で観察する。
「まだ高いな」
手が離れると同時に息を放つ。無意識に呼吸を止めていたようだ。
「食えるか?」
桜木くんがベッドサイドに置いた土鍋を指差す。
「あまり食欲は……」
具合が悪いのはもちろんのこと、ずっと寝ていたせいもあってお腹が減った気がしない。