クールな同期と熱愛はじめ

「サンキュ。ついでに背中を拭いてくれ」

「――え?」


桜木くんが突然、パジャマを脱ぎ上半身裸になる。あらわになった背中を私の方へ軽く向けた。

別に男の人の裸を見たことがないわけじゃない。それでもどうしたって心拍数は上がってしまう。心の準備がなかったせいもある。
そして一番の原因は、きっとその裸体の“出来”だ。筋肉隆々ではないが、ほどよく引き締まった体。なんのスポーツをやっていたのかは知らないけど、腕は洋服の上からの印象よりも筋肉質だ。


「おい、寒いから早くしてくれ」


ボケッと突っ立っていた私は、弾かれたように「はい!」なんて言って、彼の背中にタオルを当てた。タオル越しでも感じる逞しさに、嫌でも鼓動が高鳴る。

肩付近を拭いていると、不意に彼が私を見た。それが間近だったものだから、心臓がドクンと飛び跳ねる。


「……な、なに?」


顎を引いて、彼を見る。

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