部長が彼になる5秒前
皆の視線が一点に集中する。
そこに立っていたのは…
「水瀬チーフ……?」
私は、思わず呟いた。
周りからも、同様の声が少し聞こえる。
「おお!お疲れ様!
紹介しよう、新しく制作部長に就任する
水瀬 要(みなせ かなめ) くんだ。」
「ご紹介有難うございます。
水瀬です。以前、このフロアで雑誌企画課に所属していました。
皆さんと、素敵な書籍を送り出していきます。どうぞ宜しく。」
堂々と挨拶をした姿に、
フロア全体が拍手に包まれる。
私も、その中の1人だった。