凄腕救急医は離婚予定の契約妻を湧き立つ情熱愛で離さない
それから早めにレストランへ入り夕食を済ませると、腹ごなしを兼ねて二人で海沿いを歩いた。なにもしないこの時間がとても贅沢なものに感じる。水平線に夕日が沈み込むと灯された光が幻想的に輝きはじめた。
「綺麗ですね。都会は星が見えないけど、同じくらい綺麗なものがたくさんあるんだって知りました。みんな親切で優しいし。今日も先生が勉強しないかって誘ってくれて」
「それで出かけていったのか。先生って昨日の?」
「はい。とっても親切にしてくれて、次は食事に行かないかって誘ってくれたんです」
美鶴がそう話すと、透は急に表情を曇らせる。
「行くな。食事なら俺と行けばいいだろう? 勉強だって俺が教えてやる」
「でも、先生の気遣いを無下にするのも申し訳なくて……」
「でもじゃない。美鶴は俺の妻だ。どんな理由でも他の男と二人で会うなんていいはずがないだろう! 違うか?」
美鶴にとって仲村と会うのはあくまでも仕事の延長――少なくともそう思っていた。食事に誘うのも仕事のできない新人の自分を気にかけてくれているだけだと。けれど透はそれを許さなかった。
「……透さんのいうとおりだと思います。私が悪いんです。先生の厚意に甘えてしまったから」
「男を庇うのか?」
「そうじゃありません。ただ、先生は悪くない。私が……」
自分が悪い。そう繰り返す美鶴に透は小さくため息を吐く。
「……もういい。帰ろう」
透の後を追うようにして駐車場へ戻ると車へと乗り込んだ。重たい空気の自宅へと戻り、透は書斎へと入っていった。
美鶴はスマホの待ち受け画面を眺める。近づいたと思った透との距離はまた遠く離れてしまった気がする。
「綺麗ですね。都会は星が見えないけど、同じくらい綺麗なものがたくさんあるんだって知りました。みんな親切で優しいし。今日も先生が勉強しないかって誘ってくれて」
「それで出かけていったのか。先生って昨日の?」
「はい。とっても親切にしてくれて、次は食事に行かないかって誘ってくれたんです」
美鶴がそう話すと、透は急に表情を曇らせる。
「行くな。食事なら俺と行けばいいだろう? 勉強だって俺が教えてやる」
「でも、先生の気遣いを無下にするのも申し訳なくて……」
「でもじゃない。美鶴は俺の妻だ。どんな理由でも他の男と二人で会うなんていいはずがないだろう! 違うか?」
美鶴にとって仲村と会うのはあくまでも仕事の延長――少なくともそう思っていた。食事に誘うのも仕事のできない新人の自分を気にかけてくれているだけだと。けれど透はそれを許さなかった。
「……透さんのいうとおりだと思います。私が悪いんです。先生の厚意に甘えてしまったから」
「男を庇うのか?」
「そうじゃありません。ただ、先生は悪くない。私が……」
自分が悪い。そう繰り返す美鶴に透は小さくため息を吐く。
「……もういい。帰ろう」
透の後を追うようにして駐車場へ戻ると車へと乗り込んだ。重たい空気の自宅へと戻り、透は書斎へと入っていった。
美鶴はスマホの待ち受け画面を眺める。近づいたと思った透との距離はまた遠く離れてしまった気がする。