今宵の月のように
後頭部を押さえつけられて、髪の毛の中に指が入ってきた。

私と宮本さんは、お互いの顔を見つめあった。

「――こより…」

名前を呼んだ宮本さんの顔が近づいてきたその瞬間、私は目を閉じた。

唇に触れた温かいぬくもりを受け入れる。

腰に宮本さんの手が回って、彼に支えられながら床のうえに押し倒された。

触れていた唇が離れる。

私の視界に入ったのは宮本さんと、彼の後ろにある三日月だった。

三日月をバックにしている彼の姿を私はキレイだと思った。

宮本さんはしばらく私を見つめた後で、
「――こより…」

また私の名前を呼んで、自分の唇を私の唇に重ねてきた。

彼に抱かれるのだと、私は思った。

そんな私たちのその姿を、三日月だけが静かに見下ろしていた。
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