今宵の月のように
久しぶりだったから、躰がダルい。

頭が重くて、指を1本も動かすことができないくらいの倦怠感に躰が襲われていた。

「こより」

横になっている私の隣で、宮本さんは膝を立てて座っていた。

愛おしそうに髪をなでる骨張った手が先ほどまで私に触れていたんだと思うと、心臓がドキッ…と鳴った。

「そう言えば、後2ヶ月で誕生日だって言ってたよな?」

そう聞いてきた宮本さんに、
「ああ、そうだね」

私は返事をした。

いつだったか忘れたけど、私は彼にそんなことを言っていた。

「誕生日って、いつなんだ?」

宮本さんが聞いてきた。

「答えたら、祝ってくれるの?」

そう聞き返した私に、
「“おめでとう”って、一言を言うだけだけどな」

宮本さんが答えた。
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