狂愛。


「お風呂入る?」



その問いに首を横にふる。





「だーめ。入らなきゃ」



彼にお姫様抱っこをされて
お風呂場まで運ばれる。



シャツのボタンに手をかけられ
小さく抵抗する。


でも





「…なにこの手」





そう言われ私の手はいとも簡単にどかされて
どんどん服を脱がされていく。





「華の体を見ていいのは俺だけ。
綺麗だよ」




私の体に触れる彼の手。



体を見られたくなくて
いやだと抵抗してもサラリと流される。






お風呂から出て彼が私の髪を乾かして


そしてベットに入る。







「……華、好きだよ」


私を抱きしめる彼の腕。





痛いほど、潰れてしまいそうなほど、強く抱きしめられるのはいつものこと。







「……華は俺だけのもの」



そしてたくさんのキスが降ってくる。


彼のキスはいつも長い。




「…っ」









そして苦しい。




「……可愛い」






苦しいと訴える私を見て彼は笑う。




「全部忘れて俺だけを見て」


そしてまた強く抱きしめられる。




彼の背中に手を回すと
彼は苦しそうに、でも嬉しそうに笑って






そして一粒の涙を零した。












「華、ごめんな」
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