クールな課長とペットの私~ヒミツの同棲生活~
「え……母が……ですか?」
「ええ」
答えたのは如月さんではなく、落ち着いた三辺さんだった。
「あなたのお母様は私の従姉だったの、夕夏さん」
「三辺さん……」
「おばあさまの話をお聴きして、気になって調べたの。勝手に調査をしてしまって申し訳ないけれど……やっぱりあなたは私の従姉の娘。つまり私にとって血縁で親族になるのよ」
「三辺さんと……私が……」
「そして、おばあさまにとってあなたはひ孫よ」
三辺さんの言葉に促されたのか、如月さんはハンカチを目元から離して顔を上げる。そして、私へ手を伸ばし頬に触れた。
「夕夏さん、この曾おばあさまにもっと顔をよく見せてちょうだい。……まぁ、口元が千夏にそっくりね。眉もよく似てるわ」
「曾おばあさま……?」
「ええ、ええ。わたくしがあなたの曾おばあさまよ。
千夏の行方がわからなくなって21年……よく無事でいてくれたわ」
如月さん……いえ、曾おばあさまは、止めどなく涙を流してる。今まで想像したこともなかった肉親の名乗りに、頭が真っ白になってなにも考えられなかった。