大きな背中
それから2週間経って明日から夏休み。陸と会えなくなるんだ。

私はこの2週間毎日一言は必ず話しかけた。


「茜。」

『陸。』

陸が放課後顔を覗いてきた。

「明日から夏休みだよ~。俺嬉しくてどーしよ。」

『そ~だね。』


陸は子供みたいに白い歯を見せて笑った。でも私は全然嬉しくない。だって会えないんだもの。

「じゃーね。ばいばい。」

『ばいばい。』


陸は私の頭をくしゃくしゃとしてから友達と帰っていった。


『由佳~。』

由佳は私の親友。学年にも後輩にも親しい子はたくさんいる。私は顔が広かったから。だけど本当に信用出来るのは由佳だけ。

『メアドくらい聞けば良かった。』

「本当にばかっ。」

由佳に怒られた。由佳は私より見た目も中身も遥かに大人っぽかった。
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