氷の華
第四章…氷
どうしてしまったのか、自分でも理解出来ないでいた。


言える事とすれば、俺の中でというよりも、俺と蘭の間に流れる時が止まってしまったように感じた。


確かにそう感じ取ったが、蘭の意見を聞いていないので、俺の勘違いだけかもしれない。


初めて会ったのに、初めて会った気がしない…。


その戸惑いが、時の流れを凍らせた。


だが、奇妙だったのは、時の流れが凍り付いたように感じたのに、氷河が瓦解したような音と感覚に囚われた事だ。


説明の出来ない感情が、胸中を迷走している。


柿沢から言葉を投げかけられなければ、氷の牢に入れられた囚人のままだったかもしれない。
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