次期社長はウブな秘書を独占したくてたまらない
いい加減、気付け
ふかふかのベッドは凄く寝心地がいい。でもなんだか少し窮屈で。楽な体勢になろうとモゾモゾ動く私の額に温もりが触れた。

「知らなかった。大人になっても文香は寝相が悪いんだな」

クスクスと笑う声に慌てて眼を開くと、目の前にはリラックスしきった駿介の笑顔。寝起きで掠れた声はぞくりっとするほど色っぽい。

「子猫を抱きしめてるみたいだったぞ」

そのまま艶っぽい唇は私の唇に落とされる。その色気の破壊力はもの凄くて、チュッという軽いリップ音にさえ、私の身体は昨夜の熱を思い出してしまう。

「あっ‥‥」

思わず漏れた声に、少し眼を見開いた駿介が嬉しそうに笑う。

「文香も俺と同じ気持ちだったみたいだな」

「えっ、同じって?」

「もちろん、もう一回って気持ち」

「えっ、待って、違っ、や、ひゃんっ」

するはずの抵抗は最初のキスで力を失って、私はまた朝日の中で駿介の熱に落ちていく。

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