誰かが君に恋してる。~純情男子の恋の傾向と対策

「ん。

じゃ行こう。」



改札口に向かって歩き出すと、半歩後ろから君が付いてくる。



どうしよう。

胸が高鳴り過ぎる。



改札口を出てふと君を振り返る。

思いがけず眼が合って、慌てて君が反らす。



君に出逢って、恋に落ちて、

見つめて、探して、また見つめて。



そうしてようやく今、ここに至る。



次は?



俺は、俺たちはこれからどうなっていくだろう?



15分後にはまた離れてしまうかもしれない。



でも。



もしかしたら二人の未来があるかもしれない。



それはこの15分に懸かっている。



誰かが俺に手拍子している。

そんな気がする。



酒井と的矢?それとも天使?

あるいは俺自身?



手拍子に乗せて俺は助走するんだ。



それは君との未来への跳躍─
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