現状報告!オタク女子ですが、エリート上司に愛されてます。



『じゃあ、今ここで服脱げよ。女にモテモテの国民的アイドル様なら、さぞキレイな身体してんだろうなあ?』

『別にいいけど?』

『ちっ。可愛げのねえ。なら……俺が脱がしてやる』





「あー、ここもう少しエロい方がいいかなぁ。でもあんまりエロに走るのは嫌だなぁ」


傍から聞いたら相当気持ち悪いであろうひとり言を呟きながら、私はペンタブを握り直した。



私はBLが好きだ。
だからいろんなBL漫画を読むのだけれど、こうして自分でBLを描くという趣味も、実は持っている。


あくまで趣味で描いているだけのため、休日のヒマな時に、簡単に描いたものを数ページずつ、連載のようにイラスト投稿サイトに投稿しているだけだけれど、最近だんだんと読者登録数も増えてきて、単純にうれしい。
ちなみに今描いている漫画は、アイドルをやっている男子高生と、ひょんなことから家族として一つ屋根の下に暮らすことになった、不良男子高生とのラブコメだ。


悶々と悩んでいると、ピンポーンと玄関のチャイムが鳴った。


誰だろう? まあ多分お母さんかお父さんへのお客さんだろう。それか宅配便かな。
多分お母さんが出てくれるだろう、なんて呑気に思いながら絵を描き続けたけれど、チャイムはもう一度鳴ってしまった。

あ、そういえばお母さんとお父さん、今日は朝から、知り合いの人のお家に出産祝いを持って出かけいって、今、家にいるのは私だけなんだった。


「はーい。今行きまーす」

お客さんに聞こえたかどうかはわからないけれど、なるべく大きな声でそう言って、慌てて階段を駆け下りた。
< 67 / 142 >

この作品をシェア

pagetop