カレシとカノジョ。

「終わっちゃったな、雫…」


涙が頬をつたるのを感じる。



「ははっ…最後に一目見ることも、
声を聞くことも出来ないって…なにこれ、
すんげぇ…しんどいよ…」


自分の声の震えを感じる。


「…雫っ」


また、“ ごめん ”とも
もちろん、“ 好きだ ”とも言えなかった









俺は冷たい風に紛れるように、
ぼそっとつぶやいた。

「…幸せになんなきゃ許さねぇぞ、雫」
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