【エッセイ】『願はくは花のもとにて』
バーンスタインからももクロまで

今回は音楽の話。

うちのオカンが映画好きで、ウェストサイドストーリーのサントラが子守唄やったという話はどっかで書いたと思いますが、実は子供時代、近所に浪曲の先生ってのが住んでまして。

ほんで行ったらお菓子くれるから、ちょいちょい行ってたんですよ。

で、当然ながら行くと門前の小僧で、ちょっと覚えて帰ってくるんですね。

♪旅ぃゆけばぁ~
 駿河のぉ~国にぃ~
 茶のぉ~香りぃ~

なーんて、小学生が声色使うわけですよ。

しかもうちの祖父が三波の御大が大好きで、普通に「俵星玄蕃」とか「曽我の仇討ち」とか聞いてまして、

「うちは虎造より梅鴬の大利根がいいなぁ」

とか普通に言ってましたね。

さらに昔は実家がミナミに近くて、普通に歌舞伎だの文楽だの落語だの聞いてましたから、

♪花のほかには松ばかりぃ~

なーんて、道成寺とか勧進帳とか見て「やっぱり成田屋はいいなあ」なんて、まぁ生意気な子供やったんですよ。

で。

肺活量を鍛えるために能の謡もちょっとかじってましたんで、

♪信濃路とおき旅衣、信濃とおき旅衣、日もはろばろの~

とかやったり。

で、うちに帰るとオカンがビクター・ヤングとかクロスビーとか、ドリス・デイとかレコードかけてるわけです。

もはやクロスオーバーでしたね。

さらにたまにベートーベンの「皇帝」とか、土日にはテレビで明菜ちゃん見てたり…

まぁヒッチャカメッチャカですわ。

だから「ベートーベンからももクロまで」という幅のある音楽の趣味が仕上がったという話。



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