届くなら、あの日見た空をもう一度。

それがいまは確かに頬を濡らしている。

そのことがなんだかとても愛おしくて。

拭うこともせず。

すっかり冷めてしまったコーヒに手を伸ばす。

ゆっくりと口に含むと芳ばしい苦味がしっかりと感じられる。

そのことが嬉しくて。

苦しくて。

冷えたコーヒーをゆっくりゆっくり飲み下した。

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