届くなら、あの日見た空をもう一度。
ーーー
一度だって止まってやるもんか。
そう思ったのに。
やっと菜乃花の家の最寄りに着いたのに、ドアが開くと駆け出すのより早く人の波が俺を外へと押し出す。
その弾みでバランスを崩してしまいあっという間に俺はその波に飲み込まれた。
エスカレーターには列ができている。
これなら階段のほうが断然早い。
早く抜け出したいのに、行きたいのに、その波は俺をエスカレーターへと押し込む。