パーフェクト・インパーフェクト


ピンで表紙になるの、もう何度目だっけ?


けっこうな数をこなしてきていると思うんだけど、なんか、いつもこんな感じ。

おめめパッチリ、あひる口、乙女っぽい感じの雰囲気……。


こういうのも嫌いじゃないけど。
むしろ、大好きなんだけど。


そろそろわたしだってハタチになるんだし、カッコイイ感じで流し目とか、バシッとキメれるようになりたいなあ、とも思う。

いつも同じだと、読者にも飽きられちゃうだろうし。


「路線変更してみよっかな?」


ぽつりとつぶやいた独り言は、甘ったるいホットカフェオレの中に落ちて、消えた。


いけちゃんはなんにも答えない。

どうやら世間に求められているのは、まだまだ“カワイイ杏鈴”みたい。


べつに、いいんだけど。

これでここまで上り詰めてきたんだもん。


それでも、どういう路線でも、どんな世界であっても、わたしならトップをとれる気がしているのも、本当だ。

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