パーフェクト・インパーフェクト
服は、甘すぎるのも狙っているみたいで嫌だったので、けっきょくカジュアルな感じに落ち着いた。
グレーのキャップにゆるだぼプルオーバー、
そしてボトムスは黒の台形スカート。膝上15センチくらいのやつ。
足元はグレーのラメ入り靴下にモノクロのスニーカーを履いた。
ダークカラーのワントーンにまとめたのは、カラフルポップだとあんまり子どもっぽすぎるかな、と思ったからだったのだけど。
カジュアルに傾きすぎて、年上の経験豊富なバンドマンからしてみれば、きょうのわたしはちんまりしたガキにしか見えないかもしれない。
メイクをしている途中で楽しくなってきてしまって、思わずツインテールにもしちゃったし。
「きょう、お時間いただいてありがとうございます。わざわざお迎えにも来ていただいてすみません。あの、遠回りじゃなかったですか?」
「そんなの気にしなくていいよ」
わたしの家はちゃっかり知っているくせに、自分の家のことは、遠回りになるのか、そうじゃないのかさえ教えてくれないんだ。
大きな左手がシフトレバーを握ると、景色がゆるゆると走り出した。
ゆったりとハンドルをきるしぐさは大人そのものだ。