再会からそれは始まった。
トレードマークのボーイフレンドジーンズに、大きめのざっくりとした薄いベージュのサマーニット。
足元は、めずらしくゴールドパールに光ったしゃれたパンプスを履いている。
たくしあげたジーンズに合わせるそのテクニックも、きっと花だからすごくセンスがよく見える。
えりぐりが大きくあいて、ゴールドのシンプルなネックレスをつけている。
変なセクシーアピールはなくて、嫌味がない。
パーティーだったから、少しだけおしゃれをしたという感じで、よく似あっている。
「理由なんかない。」
花は俺から目をそらして、少し笑う。
「そう言うと思った。」
「……………………。」
「私は、好きな人としかそういうことはしない主義なんだけど。」
花は、少し怒ったように言う。
「そりゃ悪かったな。」
花は、一息ついて遠くを見やる。
「じゃ、みんなのとこ戻ろうかな。」
「……………………。」
「南くんは行かないの? そこの焼き鳥やさんおいしいよ。」
「・・・・・。」
花は、俺が何も答えない事に、ちょっと困った顔をする。
「じゃあね。ばいばい。」
花は、振り向いて元来た道を行く。
「おい。待て。」
花は、一瞬立ち止まるが、そのまま振り向かず、また歩き出す。